2020年8月19日
年代 :12世紀
出土遺跡 :エジプト アル=フスタート都市遺跡
本陶器は、ファイユーム陶器と呼ばれるエジプト産の陶器の一種で、エジプトを支配したイスラム王朝のファーティマ朝土器の伝統にしたがい良質の複合胎土を用い白濁した下地に淡緑色釉を内面口縁部から外面胴部にかけている。
器形は、底部から胴部がほぼ垂直に立ち上がり、口縁部が外反し、外面に縦方向の削り装飾を施している。胴上部の組み紐文は12~13世紀にかけてエジプト、シリア、イエメンなどの地域を支配したスンナ派のイスラム王朝、アイユーブ朝時代以降に多用された文様である。